主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






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せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



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少年と医大生~プライドとコンプレックス~中編~
 医大生の生活というものは、想像していたよりも味気ないものだった。

 授業では、受験勉強の延長みたいな基礎科目ばかりを習わされた。まさか医大生になってまで、行列だとかケプラーの法則だとかを勉強させられるとは思わなかった。俺はてっきり、病気の名前や治療法などのイガクテキ知識をみっちりと叩き込まれるものだと思っていた。

 毎日、土曜日のゴルフトーナメント中継のようなつまらない授業を、頬杖をついて眺めながら、「国立に行けばもっと面白い授業が受けられたのに」と勝手なことを考えていた。

 実際のところ、国立だろうが私立だろうが、一年生のときにはつまらない基礎科目を習わなければならないのだが。その頃の俺は、自分に都合の悪いことは全て大学のせいにしていた。

 入学してから一ヶ月間、友人と呼べる人間ができなかったのも、大学のせいだと思っていた。

 周りの連中はみな、親のすねをかじることでしか生きていけない、ボンボンの集まりだ。その証拠に、男も女も高そうな服ばっかり着ている。高級車で通学している奴もいる。ペンケースまでルイ・ヴィトンで揃えている奴もいる。ブルガリとロレックスとフランクミュラーの時計を日替わりで着けてくる奴もいる。そんな奴等と自分が、気が合うわけはないと思い込んでいた。

 そういう俺も、親のすねをかじらなければ生きていけないボンボンであることにかわりはないのだが。躊躇なく親の金で豪遊している人間を見るたびに、「コイツらと俺は違う」という意識が高まっていった。

 俺は一ヶ月間、一人で登校し、一人で昼飯を食べ、誰とも会話しないで実習を済ませ、同じ学年の人間が二、三人は必ずいるバスに乗り、誰とも目を合わすことなく帰った。

 正直に言うと、俺は徐々に焦りを感じるようになっていった。

 いかに周りの連中がアホばっかりでも、このまま一人も友人を作らずに六年間過ごすわけにはいかない。ニヒルな一匹狼を演じるのも悪くないが、六年という年月はあまりにも長すぎる。

 ゴールデンウィーク中、俺は家に引きこもってそんなことばかり考えていた。

     ☆

 五月の半ば頃になって、ようやく俺にも友人と呼べる人間ができた。高円寺という男だった。

 高円寺の第一印象は最悪だった。入学式のとき、アルマーニのスーツ身を包み、背をのけぞり、横暴に足を組んで座っていた高円寺は、嫌でも目立った。俺は無駄に偉そうにしている高円寺を見て、絶対コイツとは会話をしないと心に決めたのだった。

 それが何の因果か、大学で唯一気を許せる親友にまで発展してしまうのだから、世の中わからないものだ。

 高円寺と仲良くなったきっかけは、大学の帰りのことだった。

 俺がいつも通りバス停で帰りのバスを待っていると、目の前に真っ白なポルシェのボクスターが止まった。左ハンドルの座席の窓が開くと、芸能人がするようなでっかいレンズのサングラスをかけた高円寺が、俺に話しかけてきた。

「おう、隣空いているからよかったら乗らないか? 送ってくよ」

 はっきり言って、病院に通院している患者さんもいる前で、こんな嫌味ったらしい車の助手席に乗り込みたくはなかった。俺の隣では、バスを待っているオバチャンたちが、高円寺の方を見ながらコソコソ話をしていた。

 しかし俺は、入学してから今まで誰からも声をかけられなかったバス停で、声をかけてもらったことが、うかつにも嬉しかった。高円寺には最悪の先入観を抱いていたが、ちょっとくらいからんでみるのも悪くないと思った。

 俺は小声で「じゃあ、お言葉に甘えて」と言い、そそくさとツーシートのポルシェに乗り込んだ。

「お前の家どのへんなの?」

 高円寺がサングラスの位置を左手で直しながら聞いてきた。

「○○駅の近く」

「そうか、わりとこの辺だな」

「まあな」

 それからしばらく沈黙が続いた。俺は沈黙が続いたからといって、気を使って会話するタイプの人間ではない。高円寺も同じタイプの人間なのかもしれないなと思った。

「なぁ、せっかくだし軽く飲み行かねーか?」

 ふと思い出したように、高円寺が口を開いた。

 俺は少しびっくりした。なんでコイツはほぼ初対面の俺とタイマンで飲みに行こうなどと言い出すのだろう。

「えっ、でも……」

「お前全然クラスの人間と会話してないだろ。少しは社交性を持たないと、この先やっていけないぞ」

 なんて奴だろう。初からみで、ここまでズケズケと言う人間が他にいるだろうか。

 しかし、不思議と俺は腹が立たなかった。それどころか、高円寺の言う通り俺には社交性がなさすぎるのではないか、と反省させられてしまった。高円寺の口調には、老賢人のような説得力があった。俺は高円寺の持つ空気に、いつのまにか飲まれてしまっていた。

「わかった。どうせ暇だし飲みに行くか」

「よしきた。じゃあ、俺の家に車止めてから、近くの店に行くか。最近、いい店見つけたんだ」

 高円寺はそう言うと方向を変えて国道に入り、法廷速度の二倍くらいのスピードで都心方面へと車を走らせた。たいていの車が、真っ白なポルシェに恐れをなして道を譲った。

     ☆

 高円寺の家は、表参道のど真ん中にあった。

 シルバーがかった鉄筋コンクリートが打ち放しにされたマンションは、「表参道」という場所が醸し出している都会臭を抜きにしても、とてつもない高級感が漂っていた。細長い直方体の表面は、八割以上がガラス面で構成されていた。ガラスの中には、吹き抜け式になっている真っ白な階段が覗かれていた。おそらくこれが、「デザイナーズマンション」とかいうやつなのであろう。

 高円寺は、その高級そうなマンションの地下駐車場に車を止めた。

「ここが、お前の家なの?」

 恐る恐る、俺は聞いてみた。

「そうだよ」

「実家だよな?」

「いんや、一人暮らし。俺の実家は千葉の方。浪人時代からここに住んでる」

 高円寺がブルジョワな奴だとはわかってはいたが、これ程までとは思わなかった。いったいコイツの親は、どれだけ金を稼いでいるというのであろう。

「その……家賃とかはどのくらいなんだ?」

「ん、毎月三十二万三千。駐車場が別に五万二千」

 事実をなんら脚色することなく、当たり前のように高円寺が答えた。まるで日本の首都を答えるかのような口ぶりだった。

「三十二万って、お前……」

「この辺じゃあ、そのくらいが普通だぞ。高いところはもっとする」

 そう言うと高円寺は、車に鍵をかけ、スタスタと外に歩いていった。俺は慌てて高円寺の後を追った。慣れない大都会の中で、高円寺の後姿がやたら頼もしく感じた。

     ☆

「こういう店入るの、初めてなのか?」

 高円寺に連れられて入ったワインバーとやらで、挙動不審に辺りを見回す俺を見かねたのか、高円寺が俺にそう聞いてきた。

 実際、こんな店に入るのは初めてだ。俺が行く飲み屋など、「養老の滝」か「つぼ八」くらいのものだった。何千本ものワインがズラーっと並ぶ洒落たバーなど、存在すら知らなかった。

「高円寺はよく行くのか?」

 俺は質問には答えず、逆に高円寺に聞き返した。

「この店に入るのは、今日で三回目かな。浪人中は、予備校の近くにあったトコで飲んでたんだけど」

 前に行っていた店がどんな店だったのかは、あえて聞かないことにした。

 高円寺はよくわからない名前のワインとよくわからない名前の料理を、マスターに注文した。マスターからは、熟成された渋みが発せられていた。年をじっくりと濃密に積み重ねた人間にしか発することのできない渋みだった。

 高円寺は酒を飲むとよくしゃべった。俺と同じく三浪した浪人時代のこと、家のこと、女のこと、大学のこと、出身校のこと。二時間して、お互いすっかり酔いが回ってきた頃には、俺は高円寺の生い立ちをレポート十枚程度で記すことができるくらいになっていた。

「なんで高円寺は、俺と飲む気になったんだ?」

 高円寺との距離がだいぶ狭まってきたと感じた俺は、さっきからずっと気になっていたことを聞いてみた。女ならまだしも、高円寺が俺みたいな無愛想な男をこんな店に誘う理由は思い当たらなかった。

「なんか不憫だったんだよ」

「不憫って、俺が?」

「そう。お前、自分以外の人間をみんな馬鹿だと思っているだろ?」

 そんなことはない、とは言えなかった。

「周りを見下しているから集団に溶け込めないお前が、昔の俺みたいで、見ていられなかったんだよ」

 哀れむような高円寺の視線が、図星をさされて落ち込む俺の心を痛ませた。それでも俺にはどうしても譲れない主張があった。

「だってあいつら、親の金使ってうまいもん食って、いい服着て、いい家に住んで、ヘラヘラしながら生きてるんだぜ。いったい何が楽しいんだって思っちまうよ。まぁ、お前もだけどな」

 俺はわざと高円寺を挑発するように言った。いくら打ち解けた気になっても、俺は高円寺のそういう所を認める気はないという意思表示でもあった。

「親の金使って遊んで、何が悪いって言うんだ?」

 全く怯むことなく、高円寺が答えた。高円寺の口調は、非難めいたものではなく、開き直っているわけでもなく、純粋な疑問系からなる口調だった。

 予想外の高円寺の反応に俺は戸惑い、うつむいて黙った。うつむく俺にそれ以上問い詰めることなく、高円寺は「ちょっとトイレ」と言って席を立った。

 高円寺はかなり酔っていたのか、立った瞬間よろめいて、隣に座っていた女連れのサラリーマンの背中にぶつかってしまった。

「すいません」

 反射的に高円寺が謝った。サラリーマンが後ろを向いて、高円寺を睨み付けてきた。

「すいませんじゃねえだろ! てめえのせいで、ワインがシャツについただろうが!」

 そう言うとサラリーマンは赤紫色のシミが腕の部分についたシャツを高円寺に見せ付けてきた。シミはよく見なければわからない程の小さなシミだった。

「そいつは申し訳ありませんでした。クリーニング代は出させて頂きます。しかしながらお兄さん、そんなグラス一杯にワインを注ぐものではないですよ。せっかく良いワインを飲まれているのですから、注ぐのはグラスの三分の一程度に抑えた方がよろしいかと。そうしないと、香りを楽しめなくなってしまいますからね」

 高円寺は、ふちまでなみなみと注がれているサラリーマンのワイングラスを見て、嫌味ったらしく言った。隣に座っていた女がクスリと笑った。それに気がついたサラリーマンがさらに怒り狂った。

「うるせぇ! ワインのことわかってる気になりやがって!」

「お兄さんよりかは」

 高円寺が満面の笑みで答えた。

「黙れ! さっきから隣で聞いてたけど、お前こないだ問題を起こした大学病院の学生なんだってな? あそこはお前みたいな能無しの金持ちのボンボンしか入れない大学だろ? 学生風情がこんな店来やがって、親のすねかじりもいい加減にしろよ! どうせ入学するときも、理事長に金積んで裏から入ったんだろ、いったいいくら積んだのかな? このおぼっちゃまクンは」

「俺の大学は、裏口入学なんてさせてねぇよ!」

 高円寺よりも先に、俺がサラリーマンに言い返した。

「ん? なんだ、お前もコイツの仲間か? いいよなぁ、親に金積んでもらって大学入って、こんな高い店で飲み食いできるんだから。俺らみたいな真面目に一生懸命働いている普通のサラリーマンには縁のない世界ですよ」

「お前に何がわかるっていうんだよ!」

 そう言って俺はサラリーマンに飛びかかろうとしたが、高円寺が俺の腕を掴んで制した。

「なんだぁ? やるか? 俺はお前らみたいなボンボンと違って、喧嘩ならやりなれてるぜ」

 止めてよ! と隣で叫ぶ女には見向きもしないで、サラリーマンが挑発してきた。

「高円寺! コイツやるぞ!」

 わめく俺を高円寺が両腕で押さえつけ、「とりあえず落ち着け」と小声で言った。

 店のマスターが出てきて、「これ以上騒ぐようなら警察を呼びますよ」と厳しい表情で言ったので、俺もサラリーマンも我に帰った。こんな所で俺の人生に傷をつけるわけにはいかない、とお互いに思ったのだろう。

 ようやく落ち着いた俺の背中を、ポンポンと高円寺が叩いた。そして五千円札を財布から取り出し、「クリーニング代です」と言ってサラリーマンに渡した。

「結局金で解決かよ」

 五千円札を黙って受け取ったあと、わざと俺たちに聞こえるようにサラリーマンが女に言った。俺は拳を握り締めて、再び飛びかかろうとしたが、高円寺に凄い勢いで睨まれ、拳を収めた。

「マスター、今日はすみませんでした。また来てもいいですか?」

 高円寺がマスターに向かって、本当に申し訳なさそうに言った。

「ええ、どうぞ。是非いらしてください」

 マスターは、また渋い老人の笑顔に戻って答えた。

「よかった。じゃあ、お会計をお願いします」

 と言って高円寺が一万円札を三枚差し出した。「俺も払う」と言いかかったが、自分の財布には三千円しか入っていないことを思い出し、口を濁した。まさかそんなに高いとは思わなかった。

     ☆

「金はちゃんと払うからな」

 帰り道、ぶっきらぼうな口調で高円寺に言った。

「いいよ、今日は俺のおごりだ」

「そんなわけにいかねぇだろ! 俺とお前はタメなんだし、全部でいくらだったんだ?」

「だから本当にいいって、今日は無理に付き合ってもらったんだから、俺が払うよ」

 面倒くさそうに高円寺が答えた。

「なぁ、お前、悔しくないのか?」

「何が?」

「さっきのだよ。金持ちのボンボンだって言われてよ。お前だって、苦労して大学は入ったんだろ」

 少し前に抱いた怒りを思い出しながら、強い口調で高円寺に問い詰めた。思い出しただけで、あのサラリーマンに腹が立った。

「さっきの話の続きだけどさ」

 高円寺が煙草に火をつけながら言った。

「なんで親の金使って遊んじゃいけないと思うんだ?」

「それは……だって、自分で稼いだ金じゃないんだぜ。そんな金で遊ぶなんて、人としてどうかしてる」

 俺は興奮しながら答えた。

「なぁ、だったら美男美女の親から生まれたイケメンの息子は、顔を武器にしてモテちゃいけないのか? グラビアアイドルは、親から授かった豊満な体を武器にしちゃいけないのか?」

「それとこれとは……」

 俺は反論しようとしたが、高円寺に遮られた。

「いや、違わないね。生まれ持った資質の差は、誰にでも、どんな分野にでもあるんだよ。生まれつき頭の良い奴がいる、生まれつき足が速い奴がいる。生まれつき顔が良い奴がいる。そして、金のある家に生まれる奴がいる。生まれつき頭が良い奴は、才能を生かして学者になるだろう。生まれつき足が速い奴は、さらに努力してオリンピック選手になるだろう。じゃあ、金のある家に生まれた人間はどうすればいい?」

 高円寺は、さっきのサラリーマンに対する態度とは打って変わって、まくし立てるように俺に言ってきた。俺は何も言い返せなかった。

「俺は生まれつき顔も良くないし、頭が良いわけでもない。だから私立の大学に入るために三年間も浪人した。運動神経だって良くない。ただ、俺には金があった。だからそれを武器にした。金を使うセンスを磨いた。勘違いしている人間が多いけど、金さえあれば誰でも潤った生活ができるというわけじゃない。そこにはセンスが必要なんだ。女連れで、学生相手に喧嘩売るようなチンケなサラリーマンには、何億円与えたって養われることのないセンスがな」

 一気に言い終えた高円寺は、携帯灰皿を取り出し、くわえている煙草をその中に入れた。俺は黙ってその仕草を見ていた。

「お前の家も金持ちなんだろ?」

 高円寺が俺に聞いてきた。

「まあ、な」

 それは今までの人生で何度も言われてきた言葉だった。

「だったらもっと、親のすねかじっておいた方がいいぞ。金を使わなきゃ、センスは身に着かないからな」

 もしかしたら高円寺の言う通りなのかもしれないと思った直後、そう思った自分に嫌気が差した。酔っているせいで、そんな馬鹿げたことを考えてしまったと思いたかった。酔っているせいで、高円寺に対する反論が思いつかないのだと思いたかった。



 それから俺と高円寺は、よく二人で飲みに行くようになった。



つづく



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