主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






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せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



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少年とヘルメット
 いつも通り少年は、目覚まし時計のデジタル音が三回鳴ったところでスイッチを切った。そのまま洗面所に行き顔を洗い、慣れない手つきで髭を剃った。今日は顔を切らずに髭を剃れた。幸先がいいなと、少年は思った。

 朝飯を食べながら、母親と弟ととりとめのない話をして、忙しそうに出かける父親を見送った。その後部屋に戻り、シャツを着てズボンを履き、学ランにそでを通し、一つ一つ丁寧にボタンをとめて、最後にホックを閉じた。玄関で革靴を履き、「行ってきます」と母親に告げ、自転車に飛び乗った。いつもとなんら変わらない朝だった。

 ただ一つ、少年の部屋にヘルメットが取り残されていたことを除いては。

 少年の学校では、自転車で登校する際にヘルメットを着用することを義務づけけられていた。真面目にその校則を守る生徒は少なかったが、さすがに入学したての一年生は全員ヘルメットをかぶった。

しかし、学年のいわゆる「悪ガキ」達が、先陣を切ってヘルメットを脱いだのを皮切りに、徐々にヘルメットを着用しない生徒が増えてきた。五月半ばの現時点では、三割ほどの一年生の生徒がヘルメットをかぶらなかった。夏が明ける頃には大半の一年生がヘルメットをかぶらなくなる、というのが学校でのしきたりとなっていた。

「おい三鷹、ヘルメットはどうした」

 朝、校門の前で取り締まっている国語教師に、少年が呼び止められた。

「忘れ……ました」

 少年は下を向きながらボソボソと答えた。

 朝の取り締まりが、ヘルメットを着用していないことで注意することはまず無かった。

 二、三年生はほとんどヘルメットをつけていなかったし、ヘルメットは無理にかぶらなくてもよい、というのが学校全体での暗黙の了解になっていた。

 それでも少年が注意されたのは、五月の段階で、真面目しか能がない(ように見られてていた)一年生の少年が、ヘルメットをかぶっていないということに、教師が違和感と軽い不快感を感じたからであろう。

「忘れたぁ? そんなわけないだろう。明日はちゃんとしてこいよ。」

 国語教師は少年にそう言うと、他の女子生徒の所に、スカートが短いことを注意しに行った。



「三鷹君お疲れ~」

 下校途中、自転車に乗った立川アヤが、少年の背中をポンと叩いて話しかけてきた。立川アヤもヘルメットをかぶっていなかった。お疲れ、と答えた少年の声は、心なしかいつもよりも自信に満ち溢れている様に思えた。

「三鷹君、今日はヘルメットしてないんだね。」

「うん、もうやめたんだ。」

「へぇ、なんかちょっと意外」

 立川アヤの言う、[意外]という意味を少年は理解していた。少年がヘルメットをかぶっていないということは、はた目から見たらとても不自然なことなのだ。

「立川さんも、ヘルメットしてないじゃん。」

「うん、だってせっかく朝髪型セットしたのが台無しになっちゃうんだもん。その点三鷹君は楽でいいよね。」

 立川アヤはそう言うとにっこり笑った。少年も自分の坊主頭をなでながら笑ってみようとしたが、引きつった笑顔になってしまった。それを見た立川アヤが、

「三鷹君、笑い方変だよ。」

と言ってさらに笑った。少年は顔が真っ赤になってしまった。

「じゃあね、三鷹君」

 少年は立川アヤと別れた後、家に着くまで思いっきり自転車をこいでみた。初夏の風が気持ち良く、とても晴れ晴れとした気分になった。

 次の日も少年はヘルメットをつけずに学校に行った。



「おい、三鷹!テメーなんでヘルメットしてねーんだよ。」

 朝駐輪場で、悪ガキグループの親玉的存在である国立が、とりまきを数人つれて少年にからんできた。当たり前の事だが、その連中はヘルメットをかぶっていなかった。

「別に、もういいかなと思って」

 少年は声を震わせながら答えた。

「よくねーだろ!事故に遭って死んじゃったらどーするんですか~三鷹くん?」

「事故になんて遭うわけないだろ。」

 少年はそう答えると、急ぎ足で教室に向かった。後ろから、「あいつ調子のってんなぁ」と国立が言う声が聞こえた。

 その日からだんだんと、国立達の少年に対する風当たりが強くなった。体育の授業でバスケをやった時にはひどいファアウルをされ、少年がシュートを外せば「三鷹使えねーよ」とか、「ダッセー!!」等の野次を飛ばされた。廊下で国立とすれ違う度にガンをつけられた。

 少年は日に日に学校に行くことが辛くなってきた。たまに立川アヤと帰りに会話できることだけが、少年の唯一の支えだった。



「おっ、今日も会ったね三鷹君」

 少年は立川アヤの声が聞こえると、嬉しそうに後ろを振り返った。実のところ少年は、立川アヤと帰り道に会うために、ゆっくりと自転車を走らせていたのだった。

「お疲れ、立川さん」

 こうやって、立川アヤと話すことが、少年にとってなによりの楽しみだった。

「三鷹君、元気ないよ」

「そんなことないよ」

 少年は無理に明るそうにふるまった。

「そう、ならいいけど。なんか三鷹君、最近国立君達にいじめられてるような気がするんだけど……」

「いじめられてなんかいないよ!」

 少年は、声を荒らげて答えた。立川アヤが驚いた表情で少年のことを見た。

「ホント?でもなんか国立君って自分以外の人が目立ったりするのすごい嫌がる感じだし。その、なんていうか……最近三鷹君ちょっと変わったじゃない?」

「そう、かな?」

「うん、なんかちょっと頑張ってるというか、全然悪いことじゃないんんだけど。」

「それで?」

「国立君っておっかないじゃない、何するかわかんないし、でも自分の気に入らない人以外には、特に攻撃してこないから。」

「何が……言いたいの?」

 立川アヤの言いたいことは、少年にはわかっていた。でもそれをきちんと言葉にして言われない限り、そのことを認めたくはなかった。

「だから、その、もうしばらくは三鷹君、大人しくしてた方がいいと思うの。このままじゃ、国立君達どんどんエスカレートしていきそうだし。」

 立川アヤは慎重に言葉を選んで話しているようだった。少年にはそれがじれったかった。

「大人しくって例えばどんなこと?」

「うーん、ヘルメットとか……かなぁ?」

「ヘルメットって何が?」

 少年はキツイ口調で聞き返した。少年には立川アヤを責めるつもりはなかった。立川アヤが本気で少年のことを心配していることは痛いぐらいに伝わってきた。しかしそれが少年には辛かった。それでついキツく答えてしまったのだった。

「ヘルメットをちゃんとして、学校に来た方がいいと思うの」

 立川アヤはまるでガンを告知する医者のように、覚悟を決めてきっぱりと少年に言った。

 少年は心の中で、立川アヤが今発した言葉を丁寧にかみしめ、あきらめとも絶望とも取れない表情で、立川アヤを見返した。

 立川アヤは少年の表情を見て困惑し、うつむいて黙ってしまった。

「わかったよ、明日からはヘルメットするよ。」

 そう言うと少年は全速力で自転車をこぎ、一目散に立川アヤから離れていった。少年は家を通り過ぎて、隣町まで全力で自転車をこいだ。そのまま何時間も、知らない道を走り続けた。初夏の風は、少年を慰めてはくれなかった。

 次の日から少年は、卒業するまで毎日ヘルメットをかぶって登校した。

 国立達が少年にからむことはなくなったが、少年が立川アヤと会話することもなくなった。

 中学校生活三年間で、事故に遭うこともなかった。



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