主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






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せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



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少年ときれいなお姉さん 前編
「毛布ぐらい持ってくればよかったな」

 調布とそう変わらない夜空を見上げながら、わざと声に出してつぶやいてみた。九月といっても、夜になると外はやはり冷える。しかも公園のベンチというスペースは限りなく人を不安定にさせる。寒さと不安で僕はくじけそうになってしまっていた。

 でもいまさら引き返すわけにはいかない。きっと朝になればまた元気が湧いてくるはずだ。僕は体を丸くして目をつぶり、立川アヤのことを考えた。

「すごい、嬉しいよ」

 僕が立川アヤに好きだと伝えると、立川アヤは二、三秒間をとって僕の目を見つめ、あらかじめ用意してきたとしか思えない言葉を口にした。

「三鷹君のことはとても好きだし、大事な友達だと思ってるよ。でもね、やっぱり恋愛対象とかそういうふうには見れないんだ。ごめんね」

 告白する前からこういう返事が返ってくることはわかってはいたが、それでももしかしたらと心の隅で思っていた分ショックを受けてしまった自分が嫌だった。

「わかった。俺の方こそ迷惑かけてごめんね。これからも良い友達でいてくれる?」

「全然迷惑なんかじゃないよ、むしろすごく嬉しいし。いつまでも仲のいい友達でいようね」

 立川アヤは幼少の頃から何度も繰り返し使って磨き上げてきたと思われる、人の警戒心を一気に解放させる笑顔で答えた。僕はただ笑うことしかできなかった。

 いつまでも仲の良い友達でいようね。

 僕は立川アヤの言った言葉を心の中で繰り返した。

 僕が女の子にふられるのは、立川アヤで三人目だった。中学時代に二人、そして高校二年になって一人。いずれも付き合ってからふられたわけではなく、告白してふられた。だから僕は俗に言う、彼女いない歴イコール年齢男だった。

 僕のことをふった女の子達は皆、一言目に「嬉しい」と言い、最後に「恋愛対象に見れない」と言った。立川アヤもまったくその通りだったので、僕は半分笑いそうになっていた。

 女の子達は僕の知らない所で、[自分に言い寄ってくる男の対処法マニュアル]みたいな物を、国の秘密組織かなんかに徹底的な叩き込まれているのではないだろうかとすら思えてきてしまう。

 家出した理由は、立川アヤにふられたことが直接の原因かと言われれば、その通りと認めるしかないが、それだけではなかった。どうでもよくなってしまったのだ。全てが。勉強も頑張って人並みだし、部活もやっていないし、親は何も文句を言わないかわりに僕には何も期待していなかった。

 そんな生活をうだうだと続けるだけで、この先いったい何があるというのだろう。だからとりあえず、何か普通ではないことをしようと思ったのだ。

 僕は、「しばらく家を出ます」と書置きだけ家に残して、自転車で甲州街道を通って日本橋まで行き、日本橋から国道15号線をひたすら横浜方面に走った。

 特に横浜に行きたいわけではなかったが、日本橋に住んでいる友達が、15号線を真っ直ぐ行けば横浜に着くと言っていたのを思い出し、なんとなく横浜まで行こうと決めた。そうすれば一応東京を出た事にもなる。家出するのだから、とりあえず東京から離れたかったのだ。

 自転車を使った理由は、ただ単にむしゃくしゃしていたからだ。僕は昔から、むしゃくしゃしている時に自転車で走った。

 調布から五時間程自転車を走らせるとようやく横浜に着いた。腹も減っていたので、たまたま見かけた松屋でビビン丼を食べると、もうこれ以上動きたくなくなってしまった。僕は適当な公園を探し当て、適当なベンチに横になった。時計を見るともう深夜零時を回っていた。

「家出か?少年」

 いきなり後ろから女の声が聞こえたので、あわてて起き上がり振り返って見ると、二十歳前後位だと思われる女が立っていた。顔は真っ赤で、足元がおぼつかない。女は明らかに酔っ払っていた。僕は呆気にとられてしばらく女の姿を見つめていた。

「ここ、座っていい?」

 いいですよ、と僕が答える前に、女は僕が寝ていたベンチに腰を下ろした。僕が寒さで身を丸める中、女は暑そうに、手で自分の顔を仰いでいた。

「なあ、少年。少年は将来合コンとか行く男になっちゃだめだぞ」

「合コン?」

 初対面の人間相手に何を言い出すのだろうかこの女は。

「そうだ、あいつらが考えていることは、とりあえずヤレそうな女を見つけて、酒飲ませまくって家に連れ込むことだけだ」

「ふうん」

 僕はとりあえず相づちを打っておいた。変なのにからまれてしまったなと心の中で思った。

「合コン行く女も女だ。馬鹿みたいなゲームに負けて、飲まされまくって動けなくなって。アホな男に『送ってくよ』とか紳士面で言われてときめいて、お持ち帰りされちまう。あいつら今頃きっとズッコンバッコンヤってんだろ」

 話の途中で女はくたびれたストライプシャツを脱いで僕に渡した。

「寒いだろ?それ着ていいよ」

 僕は女に言われるままに長袖のストライプシャツを羽織った。女はよれたTシャツ一枚になってもなお暑そうにしていた。

 くたびれたストラライプシャツの中によれたTシャツ、下は安っぽいジーンズに薄汚れたニューバランスのスニーカー、という女のファッションセンスはあまり良いとは思えなかった。まだうちのクラスの女達の方が気を使った服を着ていた。この人はこの格好で合コンに行ったのだろうか。

「それでさ、『あたしも終電終わっちゃったんだけど』って言ったら『ミカちゃんはタクシーで帰れるでしょ?』だって。それであたしが『金がないから歩いて帰る。』って言ってふてくされたら、金も渡さず『わかった気をつけてね』ときたもんだ、あいつらヤレそうな女の前だけフェミニスト気取りやがって、あたしみたいなか弱い女の子を平気で一人で帰らせやがる。どうせあたしが変態親父に襲われても、あいつらの知ったこっちゃないんだよ」

 女は一気にまくし立てると、おもむろに赤マルボロを取り出し面倒くさそうに吸い出した。女らしさのかけらもない赤マルボロを吸う姿を見て、「この人は秘密組織に連れて行ってもらえなかったんだろうな」と僕は勝手に想像してしまった。

「吸うか?」

 女が僕に赤マルボロを差し出して言った。

「いらない」

「少年はタバコ吸わないのか?」

「うん」

「真面目なんだな」

 その言い方がなんとなく馬鹿にしているような気がして僕は少しムッとした。

「タバコを吸わないから真面目っていうのは偏見だと思う」

「そんなことないさ、タバコを吸うということは、自分が真面目ではないってことを誇示するということなんだ。特に少年くらいの歳の子はね。おいしいからっていう理由でタバコを吸う奴なんかいないよ、タバコは不真面目のシンボルみたいなもんさ」

「そうなんだ」

 いまいち納得はできなかったが、女が言っていることに否定はできなかった。

「うん、そう。で、そんな真面目な少年が何で家出なんかしようと思ったんだ?」

「別に」

「ふられたのか?」

 違うとは言えずに、僕はうつむいて黙ってしまった。

「図星なんだ」

「それだけじゃない、このままじゃ何も変わらないと思ったんだ」

「このままじゃ何も変わらない、いい響きだ。あたしも少年位の時には毎日そう思っていたよ。だからあたしも家出したことがあるんだ。すぐに捕まっちゃったけどね。まあ何も変わらない生活をただ受け入れていくだけの人生を送るよりかは、家出でもしてた方がはるかに健康的だと思うよ」

「そう……かな?」

「ま、変えられるかどうかは少年次第だろうけどね。さて酔いも覚めてきたことだし、そろそろ行くか」

 そう言うと女は立ち上がって僕の顔を見た。

「行くってどこに?」

「決まってんだろ、あたしん家だよ」

「なんで……」

「バカヤロー!夜中に一人で帰ろうとしているレディーも送れないような男が、家出したくらいで何か変えられるわけないだろう!!」

          ☆

「家まで送ってくれたお礼だ、泊まっていきなよ。公園よりかは居心地がいいと思うぞ」

 家に着くと、女はそう言って僕を家の中に入れてくれた。僕は公園で一夜を過ごすつもりでいたので、正直とても助かった。

 女の家は十畳程のワンルームと四畳程のキッチンという間取りになっていて、部屋にはソファーと透明なテーブルと照明とベッド以外は何もなかった。

 「つっ立っていないで適当に座れよ」と言われたので、僕はベッドの隅の方にちょこんと座った。

「全然女の子っぽくない部屋だろ。あたしは余計な物を部屋に置いたり、無駄に飾ったりするのが嫌いなんだ。テレビだって見ないしな」

 女は灰色の靴下とジーンズを脱ぎながら言った。黒のボクサーショーツにTシャツという格好のまま、靴下とジーンズを洗濯機に入れ、冷蔵庫から缶ビールを二本取り出してきた。

「ごめんな、家ではパンツじゃないと落ち着かないんだ、別に少年を誘っているわけじゃないんだぜ」

「わかってる」

「カノウシマイの妹は家では全裸じゃなきゃ気がすまないんだろ?それよかマシだよな」

「それは姉の方だよ」

「そうだったけかな、まあいいや。とりあえずこんなにきれいなお姉さんのパンツを間近で見れるチャンスは滅多にないんだから、たっぷり拝んでおけよ少年」

「言うほどきれいでもないよ」

「言ったなぁ!」

 冗談で言ったつもりだったのが逆鱗のツボに触れてしまったみたいで、女は素早く僕のバックを取り、スリーパー・ホールドをかけてきた。本気で苦しかったので僕が慌てて女の腕にタップをしたら、女はゆっくりと技をほどいた。

「少年にもう一度チャンスをあげよう、きれいなお姉さんにスリーパー・ホールドをかけられて嬉しかったか?」

「はい、とっても嬉しいです」

 僕は喉を押さえながら渋々答えた。後頭部には意外と弾力のあった女の胸の感触がまだ残っていた。

「それならよろしい、ここはあたしの家だということをくれぐれも忘れないように」

 女は勝ち誇った態度で缶ビールのプルリングを引いた。

 言うほどきれいではないとは言ったものの、明るい場所でまじまじと女の顔を眺めると、それなりに作りの良い顔をしていることに気がついた。ほとんど化粧っ気がないわりには艶の良い肌、大きく見開いた瞳にくっきりとした二重まぶた、筋の通った鼻、美人といえないこともないが、全体的に肉付きが良すぎることが玉に瑕だった。

「少年も飲めよ、タバコは人に勧めないけど、酒は飲めるに越したことはないぞ」

 女はもう一本の缶ビールを僕に投げて渡した。僕は女を見習ってプルリングを引き、ビールをひとくち口にて入れ飲み込んだ。

「そんな飲み方じゃビールの味はわからんぞ、もっとぐいっといけぐいっと」

 女に言われて僕は半分くらい一気に飲んだ。

「おお、いい飲みっぷりだ少年」

 ビールがこんなにもおいしい物だったなんて初めて知った。

「そういえば、少年の名前聞いてなかったな」

「三鷹城司、城に司るで城司」

「ツカサドルってどういう字だっけ?」

 女は恥ずかしげもなく聞いた。

「司法、立法、行政の司法の司だよ」

「ああ、サンケンブンリツってやつね」

「そう」

 やれやれ、といった感じで僕は答えた。

「ふうんジョージ少年か、いい名前だ。あたしは中野ミカ、ミカはカタカナでミカ」

「ミカさんか」

 普段は女の人を下の名前で呼ぶことに抵抗を感じるが、「ミカさん」という言葉の響きがとても自然に思えて、すんなり受け入れられた。

「いい名前だろ?」

「どこにでもいそうな名前だよ」

「まあね、でもあたしは結構気に入ってる。あたし漢字嫌いだし、親もそこら辺よく考えて決めてくれたと思うよ」

 ミカさんは早くも二本目の缶ビールを口にしていた。

「ジョージ少年、良かったら少年の話を聞かせてくれないか?少年みたいな若い子と話すのは久しぶりだから色々聞きたいんだ」

「僕の話?」

「そうだ、少年の話だ」

「志希春高校って知ってる?」

「知らないなあ」

「調布ではぼちぼち有名なんだけどね、甲子園にも出たことあるし。僕はそこに通っているんだ」

 酒の酔いが回ってきたせいか、僕は普段よりも饒舌に自分の話をした。調布から自転車でここまで来たこと、高校受験はまぐれで進学校に入れたこと、そのせいで勉強について行くのが大変なこと、部活には入らなかったけど学園祭実行委員に所属していること、そこで立川アヤという女の子と仲良くなったこと、そして最近立川アヤにふられたこと、途中から愚痴っぽくなってしまったけど、ミカさんはずっと僕の話に真剣に耳を傾けていてくれた。

「それで少年はそのアヤちゃんって子が好きだったわけだ」

 立川アヤの話になると、今までソファーの上であぐらをかきながら、黙って聞いていたミカさんの口が開いた。

「その時は好きだったよ、でも今となっては、なんであの子に告白したんだろうとも思う」

「アヤちゃんは可愛かったのか?」

「うん。僕以外にもねらっている奴はいたし、女の子の中でも評判が良かった」

「少年は、アヤちゃんとヤリたかったわけだ?」

 平気で「ヤリたい」と言うミカさんに、ようやく違和感がなくなってきた。

「そりゃまあ、僕だってもう十七だし、そういうことも思うさ。でもそんなことばかり考えているわけじゃない」

「うむ、少年の言う通りだ。好きだからヤリたい、これは人間だったら有って当然の感情だ。セックスは愛を深めるには有効なコミュニケーション手段だからな。でもヤリたいけど好きじゃない、ヤリたいから好きになってしまうということも十分起こり得る」

「僕はそんなんじゃない」

 僕は少し声を荒らげて答えた。

「まあそう怒るな、ヤリたいという願望から人を好きになったとしても、必ずしも上手くいかないわけじゃない。ようは人それぞれだ」

「そういうものかな」

「そういうもんだ」

 ミカさんは二本目のビールを一気に飲み干すと、ソファーの上に横になった。僕はベッドの上にあったタオルケットを一枚ミカさんに渡した。

「なあ、少年。少年はあたしとヤリたいと思うか?」

「えっ……」

 僕は返答に困り、テーブルの上の汚れをティッシュで拭き取とるフリをした。

「例えばだよ、そんなに深く考えることはない」

 ミカさんは僕の気持ちを感じ取ったのか、笑いながらフォローした。

「したいと思う、多分。」

 僕はティッシュを丸めながら答えた。

「そうか、それが正常だよな。こんなきれいなお姉さんを目の前にして、ヤリたいと思わない方がどうかしてる」

「それは言いすぎじゃないかな」

 ぼくは独り言のようにボソッとつぶやいた。

「何か言ったか!?」

「いえ、何も」

 危うくまたスリーパー・ホールドをくらうところだった。

「少年はすごく良い物持ってると思うよ、あと少ししたら、いい男になりそうな気がする。でも現時点の少年は子供すぎるし、男としての魅力がまだ出てきていないから、エッチはできないな。あと三年たったら考えてあげるよ。」

 自分から聞いておいて、なんて勝手なことを言うのだろうかこの人は。

「別に、そこまでしたいわけじゃないよ」

 僕はささやかな反抗を試みた。

「なに生意気なこと言ってるんだ、ちんちん立ってるんじゃないか?」
 本当に立っていたので、僕は慌てて前かがみになった。酔っているせいで、最初から顔が真っ赤だったのが救いだった。

「ミカさんは秘密組織に連れて行ってもらえなかったんだろうね」

 慌てて話を変えようとしたのと、酔っ払っていたのとで、とんでもない話を切り出してしまった。僕は心の中で、まずったなと思った。

「秘密組織?なにそれ?」

 ここまできたら引き返せないと思い、開き直ることにした。
「国が運営する秘密組織さ。適当な女の子を連れ去って、[男のあしらい方]とか、[男をその気にさせる方法]とか、[男の有効利用法]とかを学ぶんだ。きっと立川アヤも、秘密組織に連れ去られたことがあるんだよ」

「なんで国がそんなことするんだ?」

 馬鹿馬鹿しいと一笑されると思っていたのに、ミカさんが意外に食いついてきた。

「少子化対策とか、男を上手く使うことでの経済効果を期待しているんじゃないかな。国も必死なんだよ」

 僕は適当に思いついたことをしゃべったが、不思議とホントにそんな秘密組織がある気がしてきた。僕の作り話を聞いたミカさんは、天井を見上げて考え込んでしまった。

「ホントにそういう組織があったとしたら、あたしはそんな所に連れて行かれなくて良かったと思う。たとえそれであたしの周りに男が寄ってこないのだとしても、あたしは組織に染まった女にはなりたくない」

 十分程間があり、僕がベッドの上でウトウトしだした頃、ようやくミカさんが口を開いた。天井をじっと見つめているミカさんの姿が少し寂しげに見えた。そのまま僕は目を閉じ、布団をかぶって、深い眠りについた。

             ☆

 朝目が覚めると、ミカさんが電動ハブラシで歯を磨いていた。

「おふぁおう」

 ハブラシをくわえたまま、ミカさんが言った。僕はベッドから起き上がり、軽く伸びをした。昨日五時間も自転車をこいでいたせいで、全身が筋肉痛になっていた。

「おはよう、今何時?」

「ふぁちじ」

 八時か、もうすぐ学校が始まる時間だ。ミカさんは洗面台に行き、口を濯いだ。

「これからどうするの?」

「電車で家まで帰ることにするよ、これ以上ミカさんに迷惑かけられないし」

 自転車で来た道を戻る気力は、残されていなかった。

「そう、それがいいかもね」

「それにほんの少しだけど、家出して変われたような気もする」

「それは良かった」

「自転車なんだけど、ここに置いていってもいいかな?」

「全然いいよ、ちょうどあたしも自転車が欲しかったんだ。そうだ、今度はあたしが、この自転車で少年の家まで行こう。その時返してあげるよ」

「ホントに?」

「多分ね」

「期待しないで待ってるよ。じゃあ、そろそろ行くね。シャツありがとう」

 僕は昨日からずっと着ていたミカさんのストライプシャツを脱ぎ、ベッドの上にたたんだ。

「駅はわかるか?送ってこうか?」

「大丈夫。僕は方向感覚だけは良いんだ」

 僕は玄関まで行き、靴を履いた。

「そうか、気をつけてな。あと昨日は送ってくれてありがとう」

「いえいえ。こちらこそ泊めてくれてありがとう」

 僕は玄関を開け、初めて泊まった女の人の家をあとにした。



 三年後、本当にミカさんが僕の家に来た。

後編へ続く。

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この記事に対するコメント

こんなん書いてないで勉強しろ
【2008/10/27 02:07】 URL | @ #-[ 編集]


面白かったよ。自分はお姉さんの『しすこん』なんだけど―― ミカさんはど真ん中のストライクだった。
特に彼女の男勝りでぶっきらぼうな口調に萌えた。また続編、読ませてもらう。
【2012/08/12 14:02】 URL | なし #-[ 編集]


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