主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






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せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



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波縫いとサークルと私と少年 前編
 周りの人間が手を合わせて構えているのを見て、私も一応手を合わせておいた。もうすでに私の頭の中では、朝の波縫いが始まっていた。みんなの声が知らない国の言葉のように右から左へ流れていった。

「たけのこたけのこにょっきっき!」

「いちにょっき!」

「ににょっき!」

「さっ……さんにょっき!!」

「はいアイとヒロユキ、アウト!」

「えー、またー」

「ちくしょー」

「ふーたりふたりでのーむいっきをセックスいっきと申します!」

「はいじゃあ気を取り直して、アイちゃんから始まるよ!」

「イェイ!」

「なーにゲームなにゲーム、なーにゲームなになに!」

「山手線ゲーム!」

「お題は……」

「キンキキッズのメンバーの名前」

「でたー!」

「鬼ぶっ込みキター!」

「マイちゃんピーンチ!」

 布の半分位まで縫い終わった所で、誰かが私の名前を呼んでいるのが聞こえて我に返った。

「堂本光一!」

 アイが叫んだ。ああ、このパターンか。アイがよく使う手だ。

「堂本剛!」

 私の隣に座っている、ヒロなんとかさんという名前の男が続いた。この人の焦点が定まらない瞳は、サンショウウオを連想させる。

「キンキキッズって何人だっけ?」

 場を仕切っている三年生の男が、わざとらしくみんなに聞いた。この人の声は、私が通っていた高校の校長にそっくりだ。

「二人!」

 みんなが声を揃えて答えた。

「ということで、マイちゃんアウト!」

 校長が言い終わる前に、私は何も言わずに目の前にあったカシスオレンジを飲み始めた。

「ひーとりひとりでのーむいっきをオナニーいっきと申します!」

 校長が慌ててコールをかけた。こんな下らないコールを考えている人間がこの世の中にいるということを、私は大学に入って知った。

「次! マイちゃんから始まるよ!」

「イェイ!」

 お決まりの掛け声をみんなが叫んだ。この人達は、何が楽しくて「イェイ」と言っているのだろう。

「なーにゲームなにゲームなにゲーム、なーにゲームなになに!」

「愛してるよゲーム!」

 サンショウウオが私の代わりに叫んだ。私に次のゲームを決めさせると、つまって進まなくなってしまうので、私の番になると他の人が次のゲームを決めるというのが暗黙の了解になっていた。

「アイシテルヨ」

 私は仕方なく、隣の男に無機的な告白をした。

 なんで私はこんな所に居るのだろう。

 なんで私はこんなことをしているのだろう。

 こんなはずじゃなかったのに。

 幾度となく、私はそう思ったことだろう。

 私の間違いの始まりは、入学した次の日に、大学唯一の園芸サークル「GREEN」の部室を尋ねたことだった。

             ☆

 部室をノックすると、感じの良い女の人が部屋から出てきた。少しお話を伺いたいのですが、と私が言うと、女の人は快く私を中に入れてくれた。

 部屋にはソファーとテレビが置いてあり、そこら中にゲームソフトやらDVDやらマンガ本やらが散らばっていた。園芸用具らしき物は一切見当たらなかった。

「活動はどこでされているのですか?」

 と私が訪ねると、女の人は苦笑しながら答えた。

「いつもは外に行っているの、学校の中では部室でDVD見たりするぐらいね」

 外? この学校には花壇は無いのだろうか。花壇が無いとなると、沈丁花を育てるという私の夢は、断念せざるを得ないかな。いや、もしかしたら学校の外にサークル専用の花壇があるのかもしれない。そこには沈丁花はあるだろうか。なかったらいいな。できれば苗から自分の手で沈丁花を育てたい。でも、そもそも一年生の私に、好きな花を育てさせてくれるのかな。

 等と考えながら、私は女の人と他愛も無い会話をしていた。

 程なくして、部員と思われる人達が、新入生らしき人達を連れてやって来た。部員の人達も勧誘されて来た人達も、私の想像と大きく違っていたので驚いた。第一に、男の人が多い。園芸サークルなのだから、部員は地味で目立たない感じの、少しうつむき加減に話す女の子を想像していたのに、実際に私の目の前に立っている男の人は、片耳にピアスを三個つけていて、髪はマッキンキンで、いかにも遊んでいそうな出で立ちをしていた。

「この子は?」

 遊んでいそうな男の人が聞いた。

「入部希望者よ」

 と女の人が答えた。

「じゃあ、君も一緒に今から飲みに行こうよ」

 と男が私の肩をつかんで言ってきた。私は恐くなって、「いいです」と小声で断ったのだが、「いいじゃん行こうよ」と男は強引に私を引っ張った。

「マイちゃん、今日は飲み代もいらないからさ。とりあえず親睦会ということで、楽しくやろうよ」

 と女の人に言われると、私は何も言い返すことができず、言われるままに大衆飲み屋まで連れて行かれた。

 飲み屋に着くと、いきなりわけのわからないゲームが始まり、わけのわからないコールがかかり、わけもわからず飲まされた。親睦会だというのに、実のある話は全くせず、永遠にゲームとコールが続いた。

 ようやく飲み会が終わった頃には、私はほとんど意識が残っていなかった。帰り道にタクシーの中で、部室で会った女の人に、「マイちゃん入部おめでとう」と言われたことだけが、次の日うっすらと記憶に残っていた。

 後日、園芸サークル「GREEN」はただの飲みサークルで園芸の活動は一切していないということを、授業中に後ろに座っていた女の子達が話しているのを聞いて知った。

             ☆

「マイちゃんカワイイよねー。肌なんかプリップリでさあ」

 ゲームが一時休憩となった直後、開口一番にサンショウウオがロクでもない言葉を発しながら、私の頬を人差し指で触ってきた。私は怯えるように顔を後ろにそらした。

 ここのサークルの男の人達は皆、平気で女の子を触る。時にはお尻や胸なんかでも、魚の鮮度を確かめるかのように触る。女の子も「やだ、どこ触ってるのよ」と軽く流すだけで、特に何も言わない。私には信じられないことだった。

「ちょっとヒロユキ、マイちゃん困ってるよ」

 私の目の前に座っていた、部室で初めて会った三年生の女の人が言った。えっと、確かこの人の名前は……

「すみませんね、ミユキさん。マイちゃんがあまりにも可愛かったから」

 そうだミユキさんだ。この人だけは、一応私のことを助けてくれる。

「でもさあ、化粧もしないで安い服ばっか着てカワイイなんて言われるのは十代のうちだけじゃねえ? 大学生にもなったんだから、化粧ぐらいしてくるのが大人のマナーってもんだろ」

 私の右斜め前に座っているケバイ女の人が言った。私は、ケバイ女の人というのが男の人と同じくらい苦手だ。

「まあいいじゃない、マイちゃんはまだ若いんだから。そうだ、マイちゃん今度私と買い物しに行こうよ。そこでおすすめの化粧品とか教えてあげるよ。ちょっとアイライン引くだけでも、結構印象変わるよ」

 ミユキさんが「あなたの為に良いことしてあげるよ」的な感じで言った。でも私には、それも迷惑な話だった。私は花や木を見ると、キレイに飾りたくなる欲求に駆られるのだが、自分自身を化粧や服で飾りたいとは思えなかった。そんなことしたって、サンショウウオみたいな男にさらにからまれるようになるだけで、何も良いことがない。

「いえ、私そういうのに興味ないので……」

 と私が言った瞬間、ケバイ女の人が思い切りテーブルを叩いた。一気に場が静まり返り、皆が一斉にケバイ女の人と私に注目した。

「なにあんた、先輩が好意で誘ってあげてるのに『興味が無い』はねえだろ! それとも何か? 『私は何もしないで可愛いから、化粧なんてする必要ないです』とでも言いてえのか?」

「ちょっとマキコ、落ち着きなさい」

 ミユキさんがケバイ女の人をなだめた。私はもう何も考えたくなかったので、またいつものように波縫いを始めていた。

「だってよう、こいつムカツクんだよ。良い子ぶりやがってさあ。高校の時もこんな奴いたけど気に食わなかったね。そいつも女子高から編入して来た奴でさあ。これだから女子校育ちのお嬢様って奴は……いけすかねえ……ホント駄目だよ……終わってるね……ホントに……」

 そこまで言うと、ケバイ女の人は床に倒れこんでしまった。腕には外れたブラジャーの肩ひもが見えていた。化粧をしないことより、ブラジャーの肩ひもをはだけさせることの方が、よほどマナー違反なのではないだろうか。

「ごめんねマイちゃん。マキコも酔っ払ってるからこんなこと言ってるけど、ホントにそう思ってるわけじゃないから」

 酔っ払っているから本心が出ているのではないかと思いながらも、私は頷いておいた。

 ふと隣を見ると、サンショウウオが私の方に頭を向けてテーブルの上で眠っていた。よく見ると目が半開きになっていたので、ますます本当のサンショウウオみたいに見えた。

              ☆

 部員の半分以上がダウンしたところで、飲み会はお開きになった。

 最初の頃の私はゲームの要領がつかめずに飲まされてばかりいて、お開きになる頃には立つのがやっとの状態になっていたのだが、もともと私はこういったパーティーゲームが得意だったので、今では千鳥足ながらも歩けるくらいに抑えられるようになっていた。

「次、カラオケ行く人!」

 校長が店の前で、通行人の冷ややかな視線を気にすることなく大声で叫んだ。

「いくいくー!」

 まだ元気がある部員が、授業中の小学生のように手を大きく上げて答えた。その中には、ミユキさんとケバイ女の人もいた。ケバイ女の人はフラフラになって男の肩にしがみつきながらも、右手だけは垂直に伸ばしていた。

「マイちゃんも行くでしょ?」

 とミユキさんが言ってきた。

「すみません、明日朝からバイトなので……」

 私は精一杯申し訳なさそうな口調で答えた。

「ふざけんなよ! お前いつもバイトだとか言って帰りやがって。見え透いた嘘つくのもいい加減にしろ!」

 聞こえないだろうと思っていたのに、ケバイ女の人が私の声を聞きつけて怒鳴ってきた。

「すみません」

 私は嘘をついてはいなかったが、あまり弁明しすぎると、またこの人の怒りを買うと思ったので一言だけ返した。ミユキさんが、やめなさいと言ってケバイ女の人を制した。

「ねえ、マイちゃん。バイトがあるならしょうがないけど、たまには最後まで残って欲しいな。カラオケも楽しいよ」

 というミユキさんの言い方は、警告に近い威圧感があった。次に同じことをしたら、ミユキさんといえども、どう出るかわからない。

「わかりました。次はバイト空けておきます」

「うん、そうしてくれると嬉しいな」

 ミユキさんはいつもの笑顔に戻っていた。

「では、今日はこの辺で失礼します」

 私はミユキさんに背を向けて、早歩きで駅へ向かった。

「ちょっと待ってマイちゃん」

 聞こえないフリをして、そのまま帰ってしまおうかと思ったが、これ以上反感を買うわけにはいかなかったので、私は足を止めて振り返った。

「もう少し飲み会の時楽しそうにできないかな? マイちゃんがつまらなさそうにしてると、みんな冷めちゃうのよね。思い切って弾けてみれば、きっと楽しめると思うよ」

「わかりました。努力します」

 とだけ答えて、私は逃げるようにその場を去った。

               ☆

 一人暮らしの家に戻ると、私は荷物をほうり投げてベッドの上に横になった。シャワーも浴びずにそのまま寝てしまおうかと考えながらふとベランダを見た時に、芍薬の花がだいぶしおれてしまっていることに気がついた。そういえば、昨日、一昨日と一度も花に水をあげていない。

 私は慌てて飛び起きて、すぐに芍薬のそばまで駆けつけた。せっかく三日前に咲いたばかりの紅色の花は、弱弱しくにうつむいてしまっていた。花が上目遣いで私のことを恨めしそうに見つめているような気がした。

「ごめんね」

 私は鉢の前にひざまずき、心から謝った。ふざけんなよ! と叫ぶケバイ女の人の声が頭の中に響いた。

 花に水をやり終えた後、私は実家から持ってきた小学生の頃から使っている勉強机の前に座り、おもむろに練習布を手に取り、波縫いを始めた。

 私が通っていた女子高では、朝のホームルームで五分間意味も無く波縫いをさせられる時間があった。最初は、なんで朝っぱらからこんなことをやらされなくちゃならないんだと思っていたが、一ヶ月、二ヶ月、一年と、毎朝同じ時間に同じ練習用の布に向かい合っていると、不思議と心が落ち着いてくる自分がいた。三年生になって受験ノイローゼぎみになった時には、朝の波縫いの時間が心の拠り所になっていた。卒業した今でも辛いことがあると、私はこうして波縫いをする。最近では、手元に裁縫道具が無い時でも、頭の中で波縫いをイメージしていることがよくある。

 布の全面に波縫いが施されてしまったので、私ははさみで糸を切ってほどいた。ほどいた糸をくずかごにいれると、何の変哲もない薄汚れた布切れだけが残った。私は針に新しい糸を通し、再び波縫いを始めた。

 「GREEN」をやめようと思ったことは何度もある。でもやめた時のことを考え、なかなか決断できずにいた。

 今の私にはサークルで知り合った友達しかいない。気が合う仲間といったわけではないが、一緒に昼食を食べたり、たまに遊びに行ったりぐらいのことはしている。もし私がやめれば、その子達は手のひらを返して私に冷たくなるだろう。

 クラス内では、もうすでにある程度のグループができあがってしまっているので、今さらおずおずと別のグループには入れない。「GREEN」をやめれば、私は大学で一人になってしまう。全てをはさみで切ってほどいて、最初からやり直すことはできないのだ。

 でも、このまま私はどうなってしまうのだろう。

 もう少し楽しそうにできないのかな? とミユキさんは言った。多分できると思う。私だってそれくらいの適応能力はある。楽しくないけど楽しんでいるフリをすることなんて簡単だ。

 でも楽しいフリをしているうちに、あの無秩序で不条理な空間に居心地の良さを感じるようになってしまったら、と考えると私は恐くなる。シャクヤクが枯れてしまっても何も感じない人間になってしまったら、と考えると私は悲しくなる。

 波縫いを続けていくうちに、だんだん気分が悪くなってきて、軽い吐き気にもみまわれた。それでも私は半分意地になって波縫いを続けた。

 いつもなら真っ直ぐに縫い目ができるのに、右へ左へ曲がった縫い目しかできないことが悔しかった。

中編へ続く

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