主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






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せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



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波縫いとサークルと私と少年 中編
 軽い二日酔いで痛む頭を押さえながら、コンクリートにへばりついてから割りと時間が経っていないガムを鉄ベラで剥がし取った。実物の倍位の長さの鉄ベラの影がコンクリート上に映し出されたことで、ようやく朝日が昇りきったことを私は確認した。

 昨夜は三時間程しか寝ていない。さすがに今日のような日はこのバイトが辛く思える。でも窮屈な飲み会をしている時間よりかは、私にとってはよほど有意義な時間だ。

 駅の清掃のバイトをしていることを人に言うと、大体の人は目を丸くして驚くか、珍獣を眺めるように私のことを見ながら、「へぇ、すごいね」と言う。

 そしてその後必ず、「何でそんなバイトしているの?」と聞いてくる。私にしてみれば、服屋の店員とかイベントコンパニオンのバイトをしている人に同じ質問をしたい所だが、やはり一般的に見て、十八歳の女の子が朝六時からつなぎの制服を着てほうきでプラットホームを掃く姿は、マッチ売りの少女のように哀れに思えてしまうらしい。

 そんな世間の人の思惑とは裏腹に、私はこのバイトを楽しんでいた。働く時間は朝六時から七時までと決まっているので、毎日バイトを入れてもたいしたお金にはならないし、毎朝四時五十分には起きなくてはならないという枷ができてしまったが、掃除は物心ついた頃から好きだったし、朝はめっぽう強いので、さほど問題はなかった。

 それに、公園前にあるこのマイナーな私鉄の駅は、土と緑と自己主張の強い花と謙虚な花とが交じり合った匂いがした。私はこの匂いが好きだった。大学でもこの匂いに囲まれて過ごしたかった。

 目立ったガムを一通り剥がし終えると、私はほうきとかご状のちりとりを持って、吸殻やごみくずを掃きだす作業にとりかかった。

 ホームの端から掃き始めて中程まで来た時に、私の目の前にガムや飴の空き袋を両手に握りしめている制服姿の少年がやってきた。少年は何も言わずに、手に持ったゴミを私が持っているちりとりの中に入れた。

 ありがとう、と私が言うと、少年は照れくさそうに笑って、私がまだ掃除していない側のホームの端まで行き、手でごみを拾いはじめた。

 あの子はいったい何なのだろう。

 制服を着ているからおそらく中学生なのだろうが、少年の顔立ちは小学校三、四年生とも思えるくらいに幼かった。いや、そもそも中学生ってあんなもんだったかな。近頃は中学生とも小学生とも触れ合う機会がなかったので思い出せない。

 あれこれ考えているうちに、再び少年が私の所まで来て、ちりとりにゴミを入れた。走り去ろうとする少年を私は呼び止めた。

「ねえ君、掃除を手伝ってくれるのは嬉しいけど、私一人でも大丈夫だから」

 と少年に言うと、少年はこの世の終わりのような顔で私の目を見つめて、恐る恐る口を開いた。

「あっあの、でも、僕、やることないし、もっもし迷惑じゃなければ、おっお手伝いさせてください」

 何度もどもりながら必死で懇願する少年の申し入れを断る理由も見当たらなかったので、私は少年に、わかったいいよ、とだけ答えた。少年はさっきまでの沈んだ顔が嘘のように明るくなって、軽やかな足取りで自分の持ち場に戻った。

 その後、何度も私のちりとりにゴミを入れにくる少年に、わざわざ私の所にまで来なくても、途中にあるゴミ箱で捨ててくれればいいのに、とは言えなかった。

 午前七時を回り、それなりに人が増えだした頃、ようやく私は掃除を終えた。

 少年に礼を言うと、少年は猫のように目を細めて笑った。かわいいな、と反射的に思った後、そう思った自分に驚いた。

 私が男の子を嫌いになったのは中学に入りたての頃のことだった。男子生徒は毎日下品極まりない話で盛り上がり、窓ガラスを割り、万引して捕まり、殴り合いの喧嘩をしていた。

 目を引くようなかわいい子以外の女子には、平気で「死ねブス」とか、「消えろ処女」等と言っていた。私には、男の子が考えていることが何一つわからなかった。男の子が恐かった。男の子とすれ違う度に、何かされるのではないかとビクビクしていた。高校は女子高に入れたので、心底安心した生活を送れた。

 そんな私が、ゴミを拾ってくれただけのことで、あれだけ嫌っていた男子中学生に好感を持てたことが信じられなかった。

 更衣室で着替えをすませて、駅を出ようと改札口に向かうと、さっきの少年がホームのベンチに行儀良く座っているのが見えた。

 私は少し迷って方向転換し、少年のそばの自動販売機まで足を進め、缶コーヒーを二本買った。

「これ、さっきのお礼」

 缶コーヒーを差し出すと、少年はあたふたしながら立ち上がり、両手で大事そうに缶コーヒーを受け取った。

「あっ、あの、ありがあとうございます」

「いえいえこちらこそ。さっきは助かりました」

 少年の足はがくがく震えていて、切羽詰った顔で辺りをキョロキョロ見回していた。どこかに逃げ場所を探しているようにも見えた。

「立ってないで座りなよ」

 と私が言うと、少年は震える足を手で押さえながら、ゆっくりとベンチに座った。少年が座り終わるのを確認してから、少年の横に一つ席を空けて私も座った。

 座って少し落ち着いたのか、少年の表情に余裕が出てきていた。少年は受け取った缶コーヒーと、横でそれと同じ物を飲む私を物珍しそうに眺めた。飲みなよ、と私に言われると、慎重にふたを開けて、意を決したようにごくごくと飲んだ。口に含めたコーヒーを全て喉に流し込むと、少年は思い切り眉間にシワを寄せて、ゴホッゴホッとむせた。

「ごめん、コーヒー苦手だった?」

 一応気を使って、ミルクが多いタイプのコーヒーを買ったのだが。

「ぜっ全然大丈夫です」

 全然大丈夫では無さそうだったが、放っておくことにした。

「君、いくつ?」

「じゅ、十五歳です」

「うそぉ!」

 私が思わず大声を出してしまったので、電車を待っているテニスバックを抱えた女子高生の集団が、一斉に私の方を見た。少年が気まずそうに下を向いた。

「ごめん、もうちょっと若いのかと思ったから」

 そういういい訳は、中学生くらいの歳の子には逆効果だとわかってはいたが、他に言い様がなかった。

「すみません、嘘です」

 下を向いたまま、少年がつぶやくように言った。

「はあ」

 何で嘘をつくのか、何ですぐに嘘と認めるのか、そして私は何と言ったらいいのか、何もわからずに、口からそんな言葉が漏れた。やっぱり男の子はわからない。

「本当は十三歳です」

「十三っていうと、中二?」

「いえ、中一です」

 そうだろうな。

「名前は?」

「三鷹です。三鷹城司」

「ふうん」

 少年の歳と学年と名前だけ聞き終わると、他に質問することも思い浮かばず、沈黙が続いた。少年も私に話しかけることはなく、必死でコーヒーを飲んでいた。

 七時二十四分発の電車が来ると、少年は残ったコーヒーを、目をつぶって飲み干し、ベンチを立った。

「あっあの、僕、もう行きます」

 そう言われて、ああそうか、この子はこれから学校なのか、と当たり前のことに気づいた。

「わかった、いってらっしゃい」

「あの」

「何?」

「明日も、掃除手伝いしに行きます」

 今度は、手伝ってもいいですか、という疑問系ではなかった。確固たる意思を持って言っているようにみえた。私には少年を止める権利がないような気がした。

「うん、明日も待ってるよ」

 待ってる? なんでそんな言葉が口に出たのだろう。

 少年は、ありがとうございます、と言って丁寧にお辞儀をし、コーヒーの空き缶をゴミ箱に捨てて、出発のベルが鳴っている電車に乗った。電車が去った後も、しばらく私はコーヒーを飲みながらベンチに座っていた。

 約束通り、次の日も少年は掃除を手伝いに来た。

 少年は昨日と同じく、私が掃き掃除を始めた時間にやってきて、昨日と同じようにゴミを拾っては、私のちりとりに入れに来た。

 正直に言って、少年の働きはそれ程私の助けにはなっていなかった。それでも必死に手でゴミを拾い集める姿が微笑ましくて、少し和んだ。

 少年は掃除をしている最中に一言もしゃべらなかった。そんな少年を見ていたら、仕事中に男は無駄にしゃべらないものだ、という父の口癖が頭によぎった。

「マイも男を選ぶ時には気をつけろよ。無駄にしゃべる男に、いい男はいないからな」

 気分が良くなった父が、私に向かってそう言ったことがある。あれは十五歳くらいの時だっただろうか。父に言われて、私は寡黙で無愛想な感じの男の人と一緒に歩く自分を想像してみた。全く現実味が持てなかったが、私が男の人と付き合うのだとしたら、きっとそういう人なのだろうな、と勝手に信じ込んでいた。

 その時想像していた男の人の姿と、ちまちまとゴミを拾っている少年の姿は似ても似つかなかったが、ほんのちょっとだけダブって見えた。

 今日は七時ちょっと前に掃除が終わった。少年の手伝いも、少しは効果があったようだ。いつもより早く掃除が終わったことを少年に告げると、少年は誇らしげな顔で笑った。

「三鷹君、ありがとね」

 と少年の頭を撫でながら言うと、少年は咄嗟に私の手を跳ね除けて、後ろに一歩下がった。少年の反応が意外だったので私は戸惑った。

「いえ、別に」

 キツイ口調で、少年が答えた。機嫌を損ねてしまったようだ。頭を撫でたのがいけなかったのだろうか。

 ふてくされた少年に、どう対応すれば良いのかわからず、私は何も言わずに更衣室に逃げ込んだ。

 ゆっくりと着替えを済ませて、少年が電車に乗ってしまうのを待った。

 もう大丈夫だろうと思って、更衣室を出ると、昨日私があげたのと同じコーヒーを二本持った少年が立っていた。

「これ、昨日のお礼です」

 少年独特の猫笑いで、私にコーヒーを渡してきた。さっきまであんなに不機嫌だったのに、調子が狂う。

 私は礼を言い、昨日と同じベンチに二人で座り、黙って一緒にコーヒーを飲んだ。



 それから毎日少年は掃除を手伝いしに来た。掃除が終わると、私たちは必ず一緒にコーヒーを飲んだ。

後編へ続く

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