主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






プロフィール

せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



全ての記事を表示する

全ての記事を表示する



FC2カウンター



FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

↑このブログが面白いと思った方は押してみてください。一日一回まで。



カレンダー

04 | 2018/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



リンク

このブログをリンクに追加する



RSSフィード



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メール受付はこちらです。



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


波縫いとサークルと私と少年 後編
「私もう飲めなーい」

 ケバイ女の人が似合わない猫なで声を出した。

「そうかぁ、じゃあしょうがない……そしたら隣が飲むんだよ! 飲んで飲んで飲んで……」


 もう無理だというゼスチャーを見えていないかのように無視して、校長がジョッキを私に渡した。私は何も考えないで、渡されたビールジョッキを飲み干した。

 まずい、非常にまずい。飲み会が始まってまだ一時間しか経っていないのに、私は今までの人生の中で一番飲んでいた。いつもの調子なら、あと三時間は飲み会が続く。とてもじゃないけど耐えられそうに無い。

 どうやら私は、本格的にケバイ女の人の怒りを買ってしまったようだ。

 ケバイ女の人は、もうゲームでは私のことを飲ませられないことを理解して、強引な流れで私を飲ませた。今も、ケバイ女の人がわざとゲームに負けて私に無茶振りをしたのだ。校長もグルになっているようだ。

「ねえみんな、今のマイちゃんが飲んだの見えた?」

「はやくて、見えなーい!」

 その場にいる全員が声を合わせて言った。ミユキさんまで一緒になってはしゃいでいる。今、私の味方をしてくれる人は誰もいないのだ。

「じゃあ、マイちゃんもう一杯! 若さとーパワーでー」

 もう、どうすることもできない。私は諦めて、再びビールを飲んだ。そしてそこで記憶が途絶えた。

             ☆

 意識が戻った時、私は見たことがない小汚い部屋にいた。部屋には下着姿のサンショウウオがいた。どこからか、銀杏のような香りが立ち込めてきた。

「なんで……」

 なんで私はここにいるのだ。なんでサンショウウオが目の前にいるのだ。

 枕元にあった時計は一時を指していた。午前か午後かはわからない。

「ああ、起きたんだ」

 サンショウウオが、まるで一緒に住んでいるかのように言った。

「あの、なんで私……」

「覚えてない? マイちゃん飲み潰れちゃって、俺の家に来るってことになったじゃん」

「私が行くって言ったんですか?」

「そうだよ」

 まさか、そんなはずは無い。どんなに酔い潰れても、どんなに意識が飛んでも、サンショウウオの家に行くなんて、私が言うとはありえない。

 とりあえず、こんな場所には一分たりとも長くいたくなかった。早く帰らなくては。カーテンの隙間から見える外の景色はまだ暗いので、今は午前一時のようだ。終電はとっくに終わっている。この家がどこら辺にあるかはわからないが、外でタクシーを捕まえて帰る他ないようだ。まったく、せっかく貯めたバイト代がパアになってしまう。

 自分でも驚くくらいに冷静に今後の行動を考えながら、私は不潔な布団から這い出た。

 寒い。布団を出た瞬間、普段感じることのない寒気を感じた。なぜ寒いのか、理由は簡単だった。私は下着しか身に着けていなかった。

「うっ……」

 少年漫画ではこういうときに女の子は「キャー!」とか言うのであろうが、自分の半裸の姿を屈辱的に見られた瞬間に、「キャー!」等と呑気な言葉は出ないものだ。

「あの……なんで私……」

「ああ、マイちゃんが俺の家に来るなり脱ぎだしたんじゃん」

「そんなわけないでしょう!」

 今度は大声に出して言った。

「マイちゃん酔ったら露出狂になるんじゃない?」

 腹立たしさよりも、半裸の自分が恥ずかしい気持ちが勝り、それ以上サンショウウオに問い詰めるのは止めることにした。サンショウウオの背後に私が着ていた服が見えたので急いで服を取ろうとした。

 服を手に取った瞬間、いきなりサンショウウオが私の肩をわしづかみにして、布団に押し倒した。突然のことだったので私は何もできず、なすがままにされた。

 サンショウウオはそのまま私の唇に吸い付いてきた。私の口の中にサンショウウオの舌が這いずり回った。言葉のあやではなく、本当に食べられてしまいそうな勢いだった。

 ありていに言えば、それは私のファーストキスだった。

 サンショウウオは私の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外した。

 私の目からは涙がぼろぼろこぼれていた。体はカチカチに強張り、指先足先はこれでもかというくらいに震えた。

 もう嫌だ、死んでしまいたい。このまま私は何をされるのだろう。

 そうだ、波縫いだ。波縫いをしよう。波縫いさえしていれば、どんな嫌な時間もあっという間に過ぎていく。私は必死に頭の中で波縫いをしようとした。でも、いつものように上手くイメージができない。練習布も、針も糸も頭の中に浮かんでこない。

 どうやらこの現実を真っ向から受け入れるしか道が残されていないようだ。私は何もできずに、サンショウウオに食べられてしまうのだ。もう芍薬にも沈丁花にも会うことはできないのだ。私は大粒の涙を流し、幼稚園児のような声を出して泣きわめいた。

 震えている私の胸に吸い付こうとしていたサンショウウオが、私のみっともない泣き声を聞いて動きを止めた。

「泣く程嫌なの?」

 サンショウウオが聞いてきた。何を言うんだこいつは。泣く程じゃなくて、死ぬ程嫌だ。

「初めてなの?」

 質問の意味が理解できずに、ひたすら泣きじゃくった。

「ごめん、今どき大学生で処女の子なんていないと思っていたから」

 処女だからなんだというのだ、処女じゃなければ何をしてもいいとでも思っているのだろうか。

 サンショウウオが何もしてこなくなったので、私はすかさずブラジャーを奪った。サンショウウオが黙って煙草に火をつけた。

 私はブラジャーを付け直し、服を取って素早く着替えた。

「でもさ、男の家に泊まりに来るっていうことに関しては、マイちゃんにも責任はあると思うよ。俺だって、レイプまがいのことはしたくないんだからさ」

 着替えている私を見ながら、諭すようにサンショウウオが言った。私は何も言い返さずに、小汚い部屋を飛び出した。

          ☆

 タクシーの運転手がずっと泣きじゃくる私を訝しげにうかがいながら、「これがらみですかい?」と親指を立てて聞いてきた。なんで男はこんなのばっかりなのだろう。

 タクシーに乗ってから、三十分程で家に着いた。料金は四千八百八十円だった。財布を見ると千円札が四枚しか入っていなかったので一瞬焦ったが、小銭が多めにあったのでなんとか払えた。

 家に着くと私はそのまま机に向かい、練習布を手に取った。

 波縫いさえしていれれば、嫌なことは全部忘れられる。少なくとも、今まではそうだった。

 けど駄目だった。どれだけ手を動かしても、サンショウウオの大きな唇が頭から離れなかった。いつものように心が安らぐことはなかった。

 練習布を放り出し、今度はベランダに向かい芍薬の花を見つめた。普段なら花の表情が手に取るようにわかるのに、今は何もわからない。花が泣いているのか笑っているのかでさえわからない。

「私は汚れてしまった」

 満月からやや欠けた月を見上げながら、そんな陳腐な言葉を呟いてみた。

 初めて家族以外の男に裸を見られたから?ファーストキスを奪われたから?違う。そんなことはたいした問題じゃない。

 私はサンショウウオに、私の体内を、私の脳内を、私の魂を、徹底的に汚されたのだ。だから波縫いしていても楽しくないのだ。芍薬の花の表情もわからないのだ。

 私は月を見ながら、声を殺して泣いた。夜が明けて、月が白くなってきてもまだ泣いていた。

 結局一睡もできないまま朝を迎えた私は、いつも通りバイトに行くことにした。

 今まで一度もバイトを休んだことも遅刻したこともなかったので、今日一日くらい休んでも、誰も私を咎めたりしないと思う。でも家にいたところで、私の傷ついた心がどうなるというのだろう。これ以上一人で泣いていても、昨日までの私に戻ることはできないのだ。

 それに……

 それに私は、あの少年に無性に会いたかった。

 理由はわからない。あの少年が傷ついた私を慰めてくれるとは思えない。

 いや、寧ろそれが理由なのかもしれない。私が求めているものは、中途半端な慰めなんかではないのだ。今下手な慰めなど受けたら、私は本気で死にたくなるだろう。

 残された僅かな気力を振り絞って立ち上がり、洗面台に向かった。鏡を見ると、予想通り私の顔はひどいことになっていた。まぶたは真っ赤に腫れ上がり、目元には大量の目やにがこびり付いていた。髪の毛はくしゃくしゃだし、鼻の下には鼻水の跡がくっきりとできていた。

 私はシャワールームで髪を洗い、顔を洗い、体を洗った。爪の先、足の指の間、耳の裏側まで体の隅々を隈なく洗った。こんなことで汚れた私の体がきれいになることがないのはわかっているが、精一杯丁寧に洗った。

 シャワールームから出ると化粧水だけ軽くつけて、ドライヤーで髪型を整えた。腫れ上がったまぶたは直らなかったが、さっきよりかはマシな顔になった。

 新しい下着を着け、前に着ていた下着を何重にもビニール袋に入れた後、ゴミ袋に入れた。

 ロングティーシャツにジーンズという、バイトに行く時のいつもの格好に着替え、ゴミ袋を持って玄関を出た。空はきれいな朝焼けだった。

           ☆

 少年はいつもと同じ時間にやって来た。

 少年の顔が見られて心の中ではすごく嬉しかったのに、少年と目が合うと、私は目をそらしてしまった。少年は私の顔を不思議そうに覗き込んで軽く会釈をすると、いつものようにゴミ拾いを始めた。私も何も言わずに、自分の作業を進めた。

 いつもと同じ時間に掃除を終えて、いつもと同じように少年に礼を言い、いつもと同じように着替えを済ませて更衣室を出ると、いつもと同じベンチに、いつもと同じ行儀の良い姿勢で少年が座っていた。私はなんだか可笑しくなって、思わず吹き出してしまった。まだ笑う元気は残っていたらしい。

 私がいつもと同じようにコーヒーを買おうとしたら、財布に百五十二円しか入っていないことに気がついた。そういえば昨日、タクシー代でお金を使い切ってしまったのだった。

 百二十円のコーヒーを一本だけ買って少年に渡そうかどうか悩んで躊躇していたら、少年がやってきて五百円玉を自動販売機に入れた。

「今日は、僕が払います」

 ちょっと気取った言い回しで少年が言った。中学生の子に奢ってもらうのもみっともない気がしたが、素直に少年の好意に従うことにした。

「ありがとう」

 と言った私の声が、不覚にも涙声になっていた。少年はびっくりして私の顔を見たが、特に何も言わなかった。

 二人並んで熱いコーヒーをすすりながら、私達はぼんやりと流れ行く人々を眺めていた。

 ようやく少年は、むせずにコーヒーを飲むことができるようになっていた。ささいなことながら、少年の成長にちょっぴり感動していると、目の前に見覚えのある男が現れた。

 サンショウウオだった。

「おはようマイちゃん、もうバイト終わったの?」

 なぜ、この人がここにいるのだ。

「あの……なんでここに?」

「マイちゃんがこの駅で毎朝バイトしてるって言ってたのを思い出してさ、いるかなって思って来てみたんだ」

 そんなことはどうでもいい、何故こいつはノコノコと私の前に出て来ることができるのだ。自分が何をしたのかわかっているのだろうか。

「そうだったんですか」

 心の声とは裏腹に、私はそんな受け答えしかできなかった。

「あのさ、昨日のことは俺も反省してるんだ。二人ともかなり酔ってたしね。お互いの気持ちを確かめもせずに、いきなりあんなことはするべきじゃなかったよね。でもさ、マイちゃんも俺に思わせぶるような態度を取ってたじゃない」

「はぁ」

 サンショウウオの自分勝手な言い分に激しい憎悪を感じながらも、私は何も言い返すことができなかった。

「だからさ、今回のことはお互い水に流して、これからも仲良くしていこうよ」

「……」

 頭では「ふざけるな!」と叫んでいるのに、思うように口が動かない。

 私は気がついた。この男に対する憎悪よりも、得体の知れない恐怖の方が私の中で勝っているのだ。理解不能な発言をするサンショウウオが、再び私のことを丸飲みして食べてしまおうとしているという不安に押しつぶされそうになってしまっているのだ。

 私の体は金縛りにあったように動かなくなった。大声を出すことも、逃げ出すこともできない。目の前ではサンショウウオが大きな口を広げてせせら笑いをしている。駄目だ、今度こそ私は食べられてしまう。

 電車が通過することを告げるアナウンスが流れ、アナウンスが「白線の内側までお下がりください」と言い終えた瞬間、サンショウウオの股の間から真っ白な靴が飛び出した。

 その直後、サンショウウオが股間を押さえながらうずくまった。

 何が起こったのかさっぱりわからなかったが、サンショウウオの背後から少年の姿が見えて、徐々に事態を把握してきた。

 少年が背後からサンショウウオの股間を蹴り上げたのだ。

 少年は、さらに追い討ちをかけるように、うずくまるサンショウウオの頭を蹴飛ばした。サンショウウオの額から血が出ていた。

 少年が私の顔を見て、猫笑いをした。私も少年に満面の笑みを送った。

 私の手に握り締められていたコーヒーがまだ残っていたので、サンショウウオの頭に余ったコーヒーをかけた。「あちぃ!」と言ってサンショウウオがのたうち回った。その横を、轟音を響かせながら特急列車が通過して行った。



←面白かった方は押してみてください。つまらなかったらいいです。 




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
スポンサーサイト

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://shisyunki.blog89.fc2.com/tb.php/8-b383c817
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。