主に、思春期をテーマにした、おりぢなる小説置き場。官能小説は置いてないです。






プロフィール

せいや

Author:せいや
死ぬまで思春期!!を目標に、生きてます。。。
23歳独身♂大学生。
学生気分、イクナイノ?
好きな箴言……「これでいいのだ」
写真は左耳です!!一応言っときます。。。

Yahoo!から引っ越してきますた。
だからといって、そんな白い目で見ないでください。

リンク……フリーです。
コメント……フリーですが、誹謗中傷コメントは削除します。
トラックバック……エロトラバ以外はフリーです。
バトン……受け取りません。どうしてもと言う方は、Yahoo!の方にお渡しください。
キリ番……気にしてませんので、踏んでもスルーしてください。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



全ての記事を表示する

全ての記事を表示する



FC2カウンター



FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

↑このブログが面白いと思った方は押してみてください。一日一回まで。



カレンダー

07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



リンク

このブログをリンクに追加する



RSSフィード



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メール受付はこちらです。



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


呪い
「あなたって、食が細いのね」

 [道産仔羊のシャブシャブ仕立]という長ったらしい名前の料理を食べ終えた彼女が、まだ半分以上の肉が皿の上に残っている僕を見て言った。

 実のところ、オードブルを食べ終えた時点で、僕の胃腸はこれ以上の食物を受け付ける為の生理的な運動を一切拒否し始めていた。仔羊の肉を一枚口に押し込むのに、大型冷蔵庫を三階まで運ぶくらいの労力を使った。

「ちょっと食欲がないんだ」

「そう」

 彼女は頷くと、つまらなさそうにうつむき加減で街の夜景に目をやった。

 またこのパターンか。僕はナイフとフォークを置いて、心の中でため息をついた。

「ごめんね、せっかくの誕生日なのに」

「いいのよ、別に」

 彼女はそっけなく答えた。もうすでに、相当機嫌を損ねてしまったようだ。

「ちょっと、トイレに行ってくる」

 と言って僕はそそくさと席を立った。

          ☆

 普段僕は、人並み以上に食欲旺盛である。食べ物を残すことはほとんどない。それなのにどうしてか、女の子と二人きりで食事をすると僕の胃袋は決まって乾燥したワカメのように縮んでしまうのだった。

 高校生二年生の頃、初めてできた彼女と焼肉を食べた時に、僕はこの忌まわしい呪いに気がついた。彼女は次々に焼肉を平らげていったが、僕は肉を二、三枚食べただけで戻してしまった。最初は彼女も心配してくれたが、そんなことが何回も続くうちにフラれてしまった。「あなたがそんなんじゃ、私は何も食べられないじゃない!」と最後に言われた。

 その後何人かの女の子と付き合ったが、手作りの料理を食べられなかったことで逆上されたり、寿司屋で女の子にだけ注文させて、周りから白い目で見られたこと等をきっかけにフラれてしまった。

 だから僕は、なるべく彼女と二人で食事をしないように心がけていた。しかし[彼女の誕生日]という今日に限っては、食事抜きで一日を切り抜けるのはどうしても不可能なことだった。
 
           ☆

 トイレの洗面台で髪型を整え、襟元をチェックし、自分の頬を軽くたたいた。大丈夫、この後景色の良い部屋でそこそこの値段のワインでも開ければ彼女の機嫌も直るさ、と自分に言い聞かせた。

 テーブルに戻ると、彼女がパスタの上に顔をつけて死んだように突っ伏していた。僕は慌てて彼女に声をかけた。

「どうしたの?具合悪い?救急車呼ぼうか?」

 僕がそう言うと、彼女は不機嫌そうに顔を起こし、次の瞬間、急いでおでこについているパスタのソースをナプキンで拭いた。

「大丈夫、どこも悪くない。寝てただけ」

「寝てた?」

「うん」

 彼女は恥ずかしそうに答えた。

「寝てたって、寝不足なの?」

 いくら寝不足でも、食事中に寝るなんて信じられないことであるが。

「笑わないで聞いてくれる?」

 彼女は僕の目を真っ直ぐに見て言った。僕は黙って頷いた。

「私ね、男の人と食事をしてると、必ず眠くなるの。その前にいくら寝てても、どんなに疲れていなくても。自分ではどうしようもない睡魔に突然襲われるのよ、まるで……」

「まるで呪いのように」

 僕は言った。

「そう、まるで呪いのように、信じられないかもしれないけど本当のことなの」

 彼女は今にも泣き出しそうな顔で言った。

「大丈夫だよ」

 と、つぶやくように僕は言った。

「呪いだったら必ず、解く鍵がどこかにある」

 僕がそう言うと、彼女は微笑んで、ゆっくりと瞳を閉じた。




←面白かった方は押してみてください。つまらなかったらいいです。
FC2ブログ




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
スポンサーサイト

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://shisyunki.blog89.fc2.com/tb.php/9-6e47ef06
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。